豊蔵オリジナル手打会津型 墨流し積層鋼 蕎麦包丁木地呂漆柄 36cm
材質:鋼(安来鋼 青紙) 製法:手打墨流し積層  グリップ:木製漆仕上  重さ:780g 外装:特製桐箱

伝統の会津型は、鋼の美と使いやすさを追及した生涯無二の蕎麦包丁。切れ味の良さだけでは良い包丁とは言えない。
■蕎麦切り包丁の特徴
安来鋼青紙を十数枚積層に重ね合わせた切れ味耐久性にすぐれた蕎麦包丁。通常30cm〜33cmの長さの包丁が一般的だが、360mmの刃の長さは、一度に長めに幅出しをした大量の蕎麦をスライドして切ることが出来る。前にスライドして切るにも余裕をもってスライドできるため、多くの蕎麦打ち上級者やプロの切りの技術を支えてきた。

■詳細説明
プロになると、毎日何千打もの、蕎麦切りを行う。包丁がまな板に当たる衝撃。その衝撃に耐えうる強い包丁が求められいる。安来鋼青紙の鋼を何層にも重ねた積層鋼は、耐久性に優れ、永が切れする。出来る限り手首の負担を軽減されるようバランスや重心を一丁一丁確認しながら加工する使い手の気持ちを考えたプロが認める蕎麦包丁。


■蕎麦切りの名人の要望に何度も答え進化してきたそば包丁。
360mm通常使用されている包丁では最長である。刃先から手元に至るまで鋼の厚みを部分的に変え、一切の無駄を無くすことで軽量化に成功。最良のバランスと使い手の力がスムーズに包丁本体に伝わるよう設計した。ブレが少なく蕎麦の生地に抵抗無く入り込む。蕎麦の角が立つ均一な蕎麦は、茹で上がりに差が出き、歯ごたえや、味にさえ影響がでる。「より美味しい蕎麦」にしたい。使い手と作り手の共通の思いがそこにある。

■その後の改良と創意工夫 
蕎麦包丁は、使い手に愛情を注がれて、初めて真価を発揮する。もっとも重要な使い手の力を包丁本体にどう伝えるか。包丁を繰り返しスライドさせて切るためには、ブレを最小限に抑えなくてはならない。ブレを抑えるため、無駄のないストロークでリズムよく切れる蕎麦包丁を実現した。蕎麦の見た目も左右する包丁は、使い手の思い入れも強い。そのためオーダーメイドでの製作も受け入れている。
 ■そば包丁のみにこだわり続けた職人の思い。
一丁の包丁が仕上るまで、何人もの職人がその工程ごとに、技を注ぎ込む。その最後の工程である、木製グリップの表面はすべて手塗りの漆塗りにこだわった。一つとして同じ色合いがない手塗りの木地呂漆仕上は、淡い朱うるしを下地のベースにすることで、鋼全体を優しく包み込む仕上がりとなった。鋼の美と漆器の美が見事に調和した蕎麦包丁である。


■お客様の声
蕎麦屋を営んで長いことになるが、良い蕎麦を提供したいと思うと、必ず蕎麦切りの難しさに直面する。暖かい蕎麦と冷たい蕎麦では、蕎麦の厚みを微妙に変えなくてはならない。1.5mmの切り揃えと1.2mmの切り揃えを使い分けることは至難の業。この包丁を使用し試行錯誤した結果、その壁を乗り越えられた。
蕎麦を食べに来たお客様に、美味しかったとの、あたたかいお言葉をいただいたときは、本当に嬉しかった。



派手さを押さえた表面の墨流しは、水面(みなも)に波紋が広がる模様が特徴。静寂で時がゆっくり流れるような雰囲気を味わえる。


■感謝の気持ちと総括。
手首の負担を軽減させる蕎麦包丁のバランスは、実はグリップの加工方法にもある。見えない部分も含め、その工程がバランスを決めるといってもよい。
自分の手のように包丁を扱うには、包丁、グリップ、使い手の腕の一体感が大変重要になる。見えない細部の部分だとしても工程を簡素化するわけにはいかない、
時間をかけ最良の蕎麦包丁に仕上げた。
会津型の特徴である、緩やかな曲線を描いた峰、またその延長線上にあるグリップの曲線。鋼が弓型に上がり、グリップが弓形に下がる。
見た目の美しさと使いやすさ両面を追求した伝統の形状です。36cmある刃先の、ゆがみのない正確さも注目頂きたい。
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